人生で一番の宝は生まれた時に両親から頂いている
“本当に大切なものは目には見えないんだよ”
これは、絵本「星の王子さま」に出てくる世界的にも有名になった言葉です。
しかしながら、私たちは日常生活のなかで、目には見えない大切なことをついつい見落としがちになってしまいます。
PRESIDENT(プレジデント)という雑誌の2012年11月12日号に、
55歳から74歳の男女1,000人を対象とした
「今、何を後悔していますか?」というアンケートが載っています。
そのアンケートの「健康」というジャンルで「歯の定期健診を受ければよかった」が1位という結果になったという結果が報告されています。
実際に自分の歯がきちんとあるうちは、歯はあって当たり前のもの。
そして、歯は28本も!?あるので、1本や2本、むし歯や歯周病になっても、治療しさえすれば済むもの。そんな風に捉えている人も日本では少なくありません。
しかし、年齢を重ねて実際に歯を失ってみると、「1番の後悔」として挙げられてしまうのが、最もそこにあって当たり前と思っていた「歯」のことだったのは、私たち歯科従事者からすると納得すると同時に、私たち歯科医療人の活動がまだまだ足りていないと反省させられる結果でもありました。
私たちの「幸せ」にとって、まず大切なことは、
「当たり前のことが当たり前に存在し、当たり前のことが当たり前にできるありがたさ」ではないでしょうか?
「ありがとう」という感謝の言葉は、「有り難いこと」という意味から転じた言葉です。
つまり、感謝するということは、今、私たちが当たり前にできていること、してもらっていること、与えられているものは、
実はとても奇跡的(存在する確率が非常に少なかったはず)なことと認識することからはじまり、その当たり前の大切さに敬意を払うということでもあります。
私たちは、様々な偶然が重なって、両親やその周囲の方々、先祖代々の方々のおかげでこの世に生を受け、人として生きるための必要十分な心と身体を生まれた時から与えられています。
特に多くの日本人が年齢を重ねて後悔することになっている「歯」は、私たちにとって両親から与えられた最も当たり前のものであり、最も貴重な感謝すべき宝です。
歯のことで後悔する理由は簡単です。
歯は「一度治療すると元通りにはならない」からです。
たとえば、むし歯の治療は、元の天然の歯に戻す治療ではなく、人工物に置き換えたに過ぎません。
歯周病で歯を支えている骨が溶けてしまうと、その支えとなる骨は特殊な治療法を用いても完全には元通りにはなりません。
大切な宝物をもらった私たちは、与えてくださった両親への感謝の気持ちとして、しっかりと自分の歯を健康に守る、維持することが、自分のためだけでなく、ご両親のため、パートナーのため、お子様のため、孫のため、ひ孫のため・・・と、今後延々と大きな貢献につながることも、私どものクリニックできちんとした歯の情報を知っていただいた方にはご納得いただけることと思います。
まずは、今ある1本1本のご自身の歯の重要性について、きちんと理解していくことが、ご自身とご家族の一生涯にとって、大きな財産になっていきます。
心身一如~心とカラダはつながっている~
みなさんは、「身体化(somatization)」という言葉をご存じでしょうか?
人が、心の不安やストレスなどを過度に感じ取り処理しきれなくなった時に、身体の異変、身体の症状として表現し、訴えることを言います。
一見、無関係であるように感じる私たちの心と体は、常に1つの全体をなすシステムとしてつながっているということを示しています。
お口の健康においても、ストレスがかかると、唾液が出にくくなり、むし歯になりやすくなったり、免疫力が落ちて、歯肉の出血などが激しくなる場合があります。一方で、歯が痛くなったり、歯がない状態は、日常生活が暗いものとなり、イライラ感や不安感を募らせるなど、メンタル面に大きな影響を与えることがあります。
また、ストレスなどの外部環境の影響だけでなく、「私たちの心構え」すなわち「お口や歯の健康に対する知識や認識」の違いが、一生涯の歯の健康に大きく関わっているということも、多くの方が見逃していることです。
たとえば、
「しっかりとハミガキを毎日しているから、私はむし歯や歯周病にはならない」
「CMでうたわれている殺菌力を持つデンタルリンスやはみがき粉を使っているから、そのうち歯周病は治る」
など、誤った認識を持ち続けてしまうことで、むし歯や歯周病などの進行を悪化させてしまう患者様もおられます。
正しい知識や認識を持たずに、間違った習慣を身につけてしまうという心の問題も、将来的な体の健康を損なう大きなリスクとなりえるといえます。
ご自身の歯の健康、そして、お体全体の健康を一生涯しっかりと守り続けるために、私たちは、患者様に正しい知識と習慣を身につけていただく様々なデータや情報を、分かりやすくステップアップでご提供し、共に学びを深めてまいります。
歯科医療機関の本当の役割
現在、日本全国には、約7万件の歯科医院が存在していると言われており、各種メディアでは、コンビニより多い、供給過剰な存在であると伝えられることもあります。
沢山の歯科医院が存在するということは、患者様の立場から考えた場合、数多くの選択肢の中から最適なクリニックを選び取ることができるというメリットと、何が本当に正しく、良いクリニックなのか判断に迷うという難しい状況をも生み出しています。
しかしながら、日本において多くの患者様の歯科医院に対する認識は、まだまだ、
「むし歯・歯周病などの病気を治す所」
というものであることがほとんどではないでしょうか?
歯に関する、海外と日本の最も大きな認識の差は、まさにここにあると考えられています。
海外では、国の補助による健康保険制度が存在しない国がほとんどであるため、仮にむし歯や歯周病になってしまったら、非常に高額な医療費を支払う必要がでてきます。
しかし、何もしないままであれば、いつかそのような病気になることを防ぐことはできません。そこで、海外では多くの方が「病気を防ぐ」という考え方が「最も生涯医療費を低く抑えることができる」ということをこれまでの長い経験から理解し、歯科医院へは主に、「予防メンテナンスのために通う」という習慣を身につけています。
すなわち、海外の方にとって、歯科医院は、
「病気から体を守る所」
と認識しており、
「気持ちよく、何度でも行きたい所」
と感じている方が多いのです。
今の日本の現状とは全く反対ですね。しかしながら、結果的に、海外の国々では、高齢になっても自分の天然の歯のほとんどを残すことに成功している一方、日本は自分の天然の歯の半分以上を失ってしまっているという事実があります。病気になってから役立つ場所としての歯科ではなく、病気にならないように健康な方を支援できる歯科として活動することが、本来、最も地域の皆様に貢献できるクリニックであると私たちは考えております。
「削る・抜く」を繰り返す歯科から「免疫力を高める・守る」歯科へと、私たちは、患者様にとって最も必要とされる本来の役割を担うべく、北欧諸国を参考とした高度な予防歯科医療に取り組んでおります。
マイナス2歳からの予防メンテナンス
“予防”とは、「予(あらかじ)め、防ぐ」という文字からも読み取れるように、健康な時にこそ行う病気への防御策であると言えます。では、そもそも、むし歯や歯周病などのお口のリスクはどこからやってきて、どのようにして高まっていくのでしょうか?
多くの方が曖昧にしか理解しておられないのですが、お口の2大リスクである、むし歯・歯周病は共に「虫歯菌・歯周病菌という細菌による感染症」です。
お母さんの身体に虫歯菌や歯周病菌が存在しなければ、生まれたばかりの赤ちゃんにも、それらの菌は存在せず、むし歯や歯周病にはならない健康な身体として生まれてきます。しかしながら、現在は、成人の約8割が歯周病に罹患していると言われるほど、多くの日本人が、これらの細菌に感染し、広がりを見せています。
多くの赤ちゃんは、主に離乳食がはじまる「感染の窓」と言われる時期に、両親やその他の身近にいる家族から、むし歯菌や歯周病菌の感染を受けると言われています。この感染の窓と言われる時期に、ほぼ感染することなく健康を保持できれば、その後の将来に、むし歯や歯周病にかかりにくい健康な口腔環境が獲得されるとも言われています。
従って、当院では、多くのお子様に健康で健やかに成長していただきたいという願いを込めて「マイナス2歳からの予防メンテナンス」という考え方を推奨しております。
つまり、お子様の健康を生誕当初からしっかりとお守りするために、まず赤ちゃんを授かりたいと考えられた時(妊娠する前)に、お母様・お父様となられる方のお口から、可能な限りのむし歯菌・歯周病菌を減らす対策を行うことをお勧めしています。
この時期からお口の細菌をコントロールし続けることで、実際に妊娠された時に、母体にもこれらの悪玉細菌のリスクを心配することなく、安心して妊娠中の生活をお送りいただけると共に、出産後、赤ちゃんにご両親から悪玉細菌を感染させるリスクを限りなく低下させることができるため、生まれてくるお子様が一生涯、健康に過ごすことができる可能性を高めていくことができると考えております。
未来を担う大切なお子様を、健康へと誘うための取り組みを私たちと共にはじめてみませんか?
予防メンテナンスのプロフェッショナル 歯科衛生士
歯医者さんの中には「歯科医師」の他に、国家資格を有する役職のスタッフがいます。
その中でも、今このサイトをご覧のあなたにとって、一生涯のパートナーとなりえる役職が「歯科衛生士」という国家資格を有するスタッフです。
一般的な内科・外科などの看護師さんと混同されることも多いのですが、私たちは、この歯科衛生士という役職を歯科医師と同様に、患者様の健康にとって重要な職務であると認識しています。というのも、数多くの患者様の治療に当たる中、本当に患者様のお口の健康、全身の健康をお守りするという役割を担うのが、歯科衛生士だからです。
歯科医師の多くは、歯の問題点、課題点、悪くなった所を「修復する」ことはできますが、お一人おひとりの具体的な予防処置を実施するだけの時間を確保することができず、当院のように予防メンテナンスを専業として行っている経験豊富な歯科衛生士さんの品質を保って患者様の健康維持をお守りすることはできません。
歯科衛生士は、お口のリスクの根本原因となるむし歯菌・歯周病菌をコントロールするために必要な処置を施すことができ、かつ、患者様がお家でのケアだけでは対応しきれないメンテナンスを行うことができる技術と知識を持っています。
特に当院の歯科衛生士さんは、ただ国家資格を持つだけでなく、資格取得後に当院の高度な予防メンテナンスプログラムを実施できるようになる教育カリキュラムを受け、技術と知識を身につけた方ばかりです。
私たちは、歯科医院を「歯と全身の健康をお守りする所」と位置づけ、その中で歯科衛生士の果たす役割の大きさを重要視しております。患者様の歯の健康を一生涯お守りする。そのための、あなたの健康のパートナーとして、自信を持って当院の歯科衛生士をお勧めいたします。
一生涯、自分の歯を守り続けるための画期的なメソッド
これまで一般的に行われてきた、むし歯の予防法や歯周病の治療法は、多くの場合、残念ながら症状の進行を一時的に遅らせたり、止めたりすることはできても、直ぐに再発や悪化が起こることもやむを得ない方法論のものが主流でした。
バイオフィルム・歯垢(プラーク)・歯石、歯の着色などを除去することに主眼が置かれ、肝心な根本的な原因である「むし歯菌(ミュータンス菌・ラクトバチラス菌)・歯周病菌」の数量・比率・活動性をコントロールすることを行っていなかったためです。
近年、腸内フローラ・口腔内フローラなどの言葉がメディアで取り上げられるように、お口や腸の中にいる細菌の種類(善玉菌・悪玉菌・日和見菌)とその比率をコントロールすることで、健康の維持を促進するという方法論が話題となっています。
当院では、特にむし歯菌・歯周病菌の口腔内の悪玉菌の活動性や存在比率をコントロールすることで、生命の入り口となるお口から全身の健康を守る独自のアプローチに取り組んでおります。
ご自身のお口、そして全身の健康について本気で真剣に考え、ご自身の人生をより豊かで幸せなものにしたいと願う多くの方々が、当院のこのアプローチにご賛同いただき、取り組んでいただいております。
ご興味をお持ちの方は、是非、当院の専門サイト「歯周病LABO」をご覧ください。