歯を失った(抜歯した)場合に与えられる選択肢
万が一、貴方がご自身の歯を失ってしまった時、あなたはどうしますか?
歯科医療的に行うことができる対処法はいくつかあります。しかし患者さんからすると「どの方法が一番自分にとってベストな選択肢なのか?」については、じっくりと考える時間を与えられることなく、なんとなくブリッジなどの費用の低さのみにフォーカスを当てた選択をしてしまっていることが多いのではないかと感じます。
確かに失ってしまった部位や本数、その周辺の歯の形状や噛み合わせ、患者さんの全身疾患の有無、治療後の清掃性(食べかすが詰まりやすくなったり、ハブラシ・フロスなどが届かない状況にならないか?)、患者さんにとっての見た目の重要度や健康意識の度合、経済状況など、様々な要因により一人ひとりの患者さんにとって、ベストな選択肢は異なります。
そのため歯科医療従事者からみても、医学的にベストな方法=“その”患者さんにとってのベストな治療法、とは必ずしもならないため、どの治療を患者さんが選択するか?という問題は、非常に悩ましいと同時に、コミュニケーションの重要性を強く感じる課題でもあります。
しかしやはり重要なのは、その患者さんが自分自身に与えられている全ての選択肢をきちんと把握し、自分自身で十分に納得して、その治療法を選び取って頂くことと考えます。そのために私達は、医学的観点から各選択肢がもつ事実の情報をきちんと患者さんにお伝えしていくことが重要です。
通常、失った歯を再建するための方法としては、
- ブリッジ
- デンチャー(入れ歯)
- 歯牙移植
- インプラント
といった方法が中心となります。全ての方にとって「この治療法が最適」ということはありません。
また、それぞれの治療の中でも更に選択すべき要素、それは利用する素材であったり形状であったり、追加で行うべき処置であったりと、様々なことが考えられます。
複雑な話になってくると、全てを任せたいと患者さんが思われるのも無理はありません。
しかし、歯、そしてお口の健康は、なにものにも変えることができない大切な一生の財産です。
1本の歯の治療に対して行ったその選択が、将来、お口全体の健康を大きく左右することが本当に多くあります。それくらい、1本1本の歯は、独立して存在しているのではなく、お口全体で互いに影響を与え合いながら存在しているのです。
将来、大きな後悔をしないためにも、患者さんが考えることをやめることなく、しっかりと理解していただけるよう、分かりやすくお伝えしていくこと、しっかりとお互いの共通認識を確認し合いながら治療を進めることが大切であると私達は考えております。
インプラントが必ずしも最善の方法ではない理由
経済的に余裕のある方が歯を失った場合に「インプラントでお願いします」と即座におっしゃる方がおられます。おそらく最も費用がかかるインプラント=最善の治療法とお考えなのかと感じます。
しかしこのようなケースの場合、私達は必ずこのような質問をさせていただくようにしています。
「インプラントは確かに良い治療法でもあります。ですが、それは次のご質問に対して、きちんとご自身なりの答えをお持ちいただいている場合に限ると思います。あなたはなぜ、この歯を失ってしまったのか?その理由や原因について、考えたことはありますか?」
もし仮に、抜けてしまった歯に対しインプラントを植立することによって再建したとしても、そのまま日常生活に戻ってしまわれたら、おそらくそのインプラントを入れた歯は、またしばらくするとトラブルが発生する可能性が高いといえます。それは、インプラントの手術が失敗しているからではありません。
そもそも「自分の歯であっても抜けた」のです。その抜けた同じ状況の場所に、そのままの状態で「インプラントで再建した歯」を戻しても“歯が抜けた根本的な原因”が解消されていない限り、また必ず同じトラブルが起こります。
その根本原因も、一人一人によって異なります。歯並びや噛み合わせの問題であったり、むし歯や歯周病の問題であったり、全身疾患の問題や先天性のトラブルの問題であったり、喫煙の問題であったりと様々です。
インプラント治療は決して万能の魔法の治療ではありません。自分自身の歯に限りなく近い機能を取り戻すことはできても、歯が抜けた根本的原因をインプラントが取り除いてくれるわけではありません。
むしろ、インプラントを植立した場合には、天然歯の頃以上に、メンテナンスにかける手間やコストはかかることになります。
その人自身が歯を失った根本的な理由の種類によっては、インプラントはベストな治療の選択肢とならない場合もあるのです。
たとえば、お仕事があまりに忙しく、インプラント部位のメンテナンスで来院することが半年に1回でも難しいというようなライフスタイルの方は、インプラント周囲炎(インプラント周囲粘膜炎)などのリスクが高まり、インプラント植立前よりも悪い状態になり、再来院されてしまう可能性も否定できません。
このような事態になっては、患者さんご自身も、そしてご家族も、インプラントを植立したクリニックも、誰もが悲しむ状態になってしまいます。
また一方で「入れ歯では、満足いく嚙み心地やフィット感は絶対に得られない」と考えるのも、入れ歯の選択肢について、そしてそれぞれの機能についてきちんと理解をされていない方の早計な誤った考え方だと思います。
本当に素晴らしい入れ歯は、感動を呼びます。
大切なことは「その人にとって、どの選択肢が最もベストなのか?」をきちんと患者さんと医療機関側で、お互いに納得できる状態で選択し、実施することです。
そのためには、医療機関側が可能な限り、最大限の選択肢を患者さんに用意して差し上げることができる環境であることが重要です。
・インプラントは得意だけど、入れ歯は苦手
・入れ歯は得意だけど、インプラントはリスクがあるからやりたくない
このように考えてしまう医療機関の場合は、患者さんが既に自分にとってのベストな選択肢を確実に知った上で受診している必要があります。
それぞれの治療の選択肢で、高品質の歯科医療を提供できることこそ、まだ、何もご自身の歯について納得できる選択肢が見えていない患者さんにとって大切なことです。
当院では、インプラントはもちろんですが、入れ歯に対しても、全国から患者さんにご来院いただける程に、高性能な入れ歯づくりに力を注いでいます。
十分なコミュニケーションと信頼をもって、一人ひとりの患者さんと向き合いながら、幸せな未来を創り上げる心と技、そしてそれができる医療環境(体)、心技体がそろった医療機関であることを私達は目指しています。
入れ歯が敬遠されてしまっている本当の理由
はじめて歯を失った時「入れ歯にしましょう」と言われてとても辛い気分になった方は多いと思います。入れ歯のイメージといえば、
- 急に年老いた気持ちになる
- 家族や友人に入れ歯を装着したり、取り外したりしている所を見られたくない
- 入れ歯をしている人の話を聞くと、入れ歯ではちゃんと噛めない、と言われた
- いつ勝手に外れるか不安で、家族や友人との会話を楽しめない
- 自分が入れ歯であることが、外からみて分かってしまうのが不安
など、比較的マイナスイメージのものが多いかもしれません。
しかしこのような状況になってしまっているのは、入れ歯を作る際に、様々な改良された技法を取り入れることなく、昔ながらの製法で作った入れ歯を保険診療では取り入れざるを得ないことが一因となっています。
出来る限り精密なものを作ろうと思えば「フェイスボートランスファー」と呼ばれる顎関節と上顎の位置関係を咬合器上に再現する方法をもちいて精密に診査診断することで問題点を明確にし、その問題点を解決するのに最適な方法で設計すること、また、課題点に応じた技法を取り入れることが重要です。
しかし保険診療での入れ歯は一定の決まった医療費、及び手順や技法の中で製作を完結する必要があり、保険診療のみで入れ歯を製作する多くの医院では、手間・時間やコストをかけることができずに済ませる傾向がどうしても強くなり、満足いく入れ歯が作れないケースが多々発生してしまっているのかと感じます。
本来は、入れ歯に関する多彩な技法・テクニックがあることはもちろん前提ですが、咬合(噛み合わせ)に関する専門的な知識も有し、口腔内全体の課題定義をきちんと行い、入れ歯製作を行える医院であれば、患者さんのほとんどが満足されるものができあがると思います。
きちんとした入れ歯、満足いく入れ歯をご提供しなければ、中途半端な入れ歯を入れ、フィット感が悪いままの入れ歯で生活を続けてしまうと、将来的に更に他のリスクを増やしてしまうことにもなりかねません。
そのため、初期投資としてのコストは必要となりますが、一生涯の健康を考え、精密な入れ歯づくりを選択される患者様は非常に数多くいらっしゃいます。
「これまでの入れ歯が嘘のよう。もっと早く、ここで診察してもらえばよかった・・・」
当院で入れ歯づくりを体験された患者さんに最も多いご感想です。ピッタリと自分のカラダの一部分のようにフィットする入れ歯は、手間暇はかかりますが、創り上げることができます。
「入れ歯は満足できない・・・もうインプラントしか選択肢はないのかしら・・・」
そんなお悩みをお持ちの方は是非一度、当院にご相談ください。
精密な入れ歯(義歯)が感動を生む
当院では、既に入れ歯を経験されておられる患者様からの再作製のご依頼も数多くお受けします。
前述した理由などから、やはり入れ歯をされておられる方は、今使っている入れ歯が満足できない、噛むと当たって痛い、味が全然分からなくなる、食事がおいしくない、見た目が気になる、など、1つではなく、複数の問題点を抱えてご相談にいらっしゃいます。
そして、多くの方は、やはり入れ歯に対して非常に懐疑的になっておられます。
しかしながら、インプラントはオペ(手術)を伴うため不安が大きいことや、術後のメンテナンスの負担などからも、その選択に二の足を踏んでおられる方が多いのが実状です。
もし、インプラントに頼ることなく、入れ歯でも十分に満足できるものができれば、このような患者様の多くは、生活が、そして人生が変わるといっても過言ではありません。
当院ではこれまで、自由診療による精密義歯(入れ歯)の製作実績が約3000症例あり、これらの方々の生活の変化を目の当たりにし、口腔内の機能が変わることで、どれだけの人生の楽しみが入れ歯の違いによって増えるのかを目の当たりにしています。
お口は、生活における最重要器官であるといっても過言ではありません。
- 食事
- コミュニケーション
- 見た目の第一印象
その大切な機能を取り戻せた時、人はやはり感動してくださるもので、そんな患者さんの笑顔に触れた時、私達は医療人冥利に尽きる思いで、最高の幸せを感じさせていただくことができます。
患者さんと医療人である私達の双方が、真剣に患者さんの人生全体の質について考え、その答えとして高度な技術の結晶である精密な入れ歯を創り上げたとき、感動があらゆる人への感謝に代わり、そしてまた、家族との幸せにつながるものと信じております。
入れ歯の人も知らない”匠の入れ歯”
入れ歯は、形状によって「部分入れ歯」と「総入れ歯」に大別されますが、「部分入れ歯」はまだご自身の天然歯が残っている場合に作る入れ歯、「総入れ歯」はご自身の歯が全く残っていない場合に作る入れ歯の形状になり、「部分入れ歯」を「パーシャルデンチャー」、「総入れ歯」を「フルデンチャー」と専門家の間では呼ばれています。
形状の違いの他に、
- 素材による違い(プラスチック・金属)
- 技法による違い(パーシャル・パラレル・ミリングデンチャー、リーゲルテレスコープデンチャー、コーヌステレスコープデンチャー、レジリエンツテレスコープデンチャー etc)
- 加工するオプションの違い(エステティック加工、抗菌加工)
など、一概に部分入れ歯、総入れ歯といっても、様々な種類がパターンとして出来上がります。
ただ患者さん側からみて問題なのは、入れ歯に力を注いでいるクリニックでなければ「素材による違い」でしか選択肢が用意されていないことが多い、という点です。
そのため、患者さんは良く理解できないまま「こんなものなのかな?」と疑問をもちながらもシンプルで製作しやすい入れ歯を自由診療であっても選択してしまうことになります。
当院の院長である江夏は、鹿児島県では初めて「BPS精密入れ歯」の認定を受けた歯科医師です。
患者さんには聞きなれない言葉である「BPS」とは、リヒテンシュタイン公国に本社を置く、グローバルな歯科関連企業である「イボクラールビバデント社」が開発した生体機能補綴システム(Biofunctional Prosthetic System)の頭文字をとった略字です。
このシステムによって製作される入れ歯は精度が高く、医療先進国であるドイツをはじめ、ヨーロッパ各国でその価値を認められ、数多くの実績をあげております。
当院では、BPS精密入れ歯を更に改良進化させ、プレミアムデンチャーをはじめとする各種テレスコープ義歯など、高度な知識と技術を必要とする精密義歯を作成しております。
これらの義歯は、ほとんどのクリニックではなかなか着手できない入れ歯であると思います。
インプラントだけでなく、入れ歯についても妥協のないテクニックと知識、経験を有する当院ならではの入れ歯治療法であると言えます。
当院の精密義歯治療の特徴と治療の流れ
当院での精密義歯(入れ歯)治療の特徴と治療の流れをご案内いたします。
当院の精密入れ歯製作の特徴としては、前述した
- 1.「BPS精密入れ歯」の認定を受けた歯科医師が必ず担当する
- 2.入れ歯づくりの基礎として最も重要な工程である“型取り”には専門の技工士が立ち会う
ことにより、これまでにない精度の高さを誇る入れ歯づくりが可能となります。
また、
- 3. 精密入れ歯の中でも、更に症例に合わせた豊富な選択肢をご提案できる
- 4.それぞれの選択肢において、メリットだけでなくデメリットも詳細にご説明させていただく
- 5.入れ歯製作に着手する際には確実にご納得・ご同意いただくために、事前に入れ歯製作の「総額」を明確にご提示させていただき、製作スタートのご同意をいただいてからでなくては着手しない(そのため、どんな細かなご質問でも丁寧にお答えさせていただきます)。
などの特徴により、安心して入れ歯づくりに患者さんが専念していただける環境にあると思います。
まずはご予約をお電話でお取りください
今お使いの入れ歯やお口のお悩みについて詳しくお伺いします
お口の精密な検査を行い、診査・診断・治療方法の検討を行います
現在のお口の状態で、選択可能な治療方法(入れ歯の製作方法)の選択肢について、メリットだけでなく、デメリットについても分かりやすくご説明いたします。
治療方法の選択にあたって、患者さんがお悩みのこと、ご不安なことなど、どんな小さなことにも1つ1つお応えさせていただきます。
最終的にお選びいただく治療方法について決定・ご決断いただき、同意書を締結させていただきます。
お口の精密な型どりを実施します。
噛み合わせのチェックを行います。
義歯(入れ歯)が完成します。
義歯(入れ歯)のメンテナンスの開始です。
各工程のそれぞれにおいて、患者さんにとっては、新しくお知りになられることが沢山あることと思います。入れ歯のイメージについても、治療が進むにつれて変化が生じることがあるかと思います。
患者さんお一人おひとりが安心して、入れ歯づくりを楽しみにしていただけるよう、スタッフ一同、全力でサポートさせていただきます。
是非、どんなことでもお気軽に私達にご相談ください。
あなた自身に最高の笑顔が得られる治療法を選ぶ
最高レベルに精度が高い治療には、もちろん手間暇がかかり、技術や経験も必要とされ、どうしてもそれなりの費用がかかるケースがあります。しかしながら、費用を抑えながら、自分自身にとって満足できる選択肢も存在していれば、ご自身の意思で、様々な選択肢を検討しながら選ぶことができます。
私達は、患者さんご自身がきちんと選択できる安心感というものを大切にしています。
どんなに精度や機能が高く、医療的に最高品の入れ歯でも、患者さんが心から安心し、納得し、満足できるものでなければ、本当の価値ある入れ歯とは言えません。
患者さんご自身が、その入れ歯が完成し、その入れ歯で生活していただいた時に最高な笑顔が得られる入れ歯を作りたい・・・
これが、私達の望む入れ歯づくりの理念です。
入れ歯で悩む人を1人でも救って差し上げたい。食べる喜び、人との会話を楽しむ喜び、そしてなによりも、将来の健康増進に貢献する喜び。
そんな人生の喜びを提供する医療を、皆様にご提供できることが私達の役割であると考えております。
義歯専門サイトへ
当院の精密入れ歯づくりについて、より詳しくは、下記の特設ホームページも是非ご覧ください。
義歯入れ歯相談サイト
https://enatsu-dc.or.jp/ireba-soudan/
当院で取り扱っている様々な入れ歯の技法などについても詳しく掲載させていただいております。あなたの笑顔に出会える日を、スタッフ一同、心より楽しみにお待ちしております。