なぜ日本人の歯は悪いのか
子どもの頃、小学校の定期検診でむし歯が見つかると、すぐに歯医者に行って治療してもらいましたよね?
それなのに数年後、きちんと治療したはずのむし歯が再発した経験は誰しもあると思います。
「せっかく我慢してツラい治療に通ったのに…」
「毎日欠かさず歯みがきをしていたのに…」
と思いたくもなりますよね。
その1.根本的な原因を取り除けていない(自分自身の詳細なリスクデータを把握していない)
ひと昔前、歯が悪くなれば歯医者さんに行って歯を削って、詰めたり被せたりして治療してもらうことが当たり前でした。でも、それは根本的な解決ではありません。
お口の中の2大疾患である歯周病とむし歯は細菌感染症です。
歯周病やむし歯を治すための根本的な解決策は、お口の中に存在する歯周病菌やむし歯菌を徹底的に取り除くことです。悪くなっている患部だけを削って詰めたり被せたりしても一時的に症状を緩和しているだけで、原因である細菌が取り除かれたわけではないので数年後に再発する危険性が高いのです。
さらに、歯を削ることは長い目で見ると、抜歯への1歩を踏み出したことになります。
例えば、最初は歯の表面を溶かしていた細菌が今度は削った箇所と詰め物の隙間から歯の内部に侵入します。そうなってしまうと、細菌の侵入を止めるにはさらに削るしか方法がなく、最後は抜歯されることになります。
削られた歯の寿命は、何も対策を打たなければ40年だといわれています。
つまり、10才のとき初めて歯を削ってしまうと、50才のときにはその歯は抜歯になる運命だということです。
その2.お口の中を清潔に保つことが難しい
歯周病やむし歯を発症・再発させないためには、歯周病菌やむし歯菌を増殖させないように常にお口の中を清潔に保つことが大切です。
歯周病菌やむし歯菌に代表されるお口の中の悪玉菌は、それ単体では非常に弱く何も悪さをすることができないので細菌同士が手を組み、かたまりとなることでお口の中に悪影響を及ぼす力をもちます。その悪玉菌のかたまりが歯垢です。
ほとんどの人はその歯垢を取り除くために毎日きちんと歯みがきをします。
ただ、歯の表面にくっついている歯垢は取り除けても、歯の裏側や歯と歯の間、また歯並びが悪かったり、歯が欠けたり抜けているのをそのまま放置している箇所があると歯ブラシの毛先が届かずにみがき残しをつくることになります。
取り除くことができなかった歯垢は、しだいに歯や歯の周りの組織の深部に侵入して居座ることになります。
そうなってしまうと歯みがきでは永久に取り除けず、一時的にお口の中が清潔になっても、人が食事をする度にその糖分を栄養にすぐに増殖して、歯周病やむし歯を進行させます。
その3.定期的に歯科医院に通う習慣がない
日本人の多くが定期的に健康診断を受けていると思います。
血液検査では、いまの身体の状態が具体的な数値として示されるので、治療するにしても予防していくのにも役立ちますよね。
歯の健康を維持していくのにも、歯周病菌・むし歯菌を増殖させないようにお口の中の状態を数値化して、継続的に管理していくことが大切なのですが、これまで歯科では徹底したデータ管理が行われてきませんでした。
その大きな原因のひとつが、日本人には定期的に歯科医院に通う習慣がないことです。
患者様のお口の中を客観的に「見える」化するためには定期的・継続的なデータの蓄積が必要です。
日本には「国民皆保険制度」があり、どこか悪くなったとしても治療には保険が適用され、安価で治療を受けることができます。でも、それは「悪くなってから歯医者に行けばいい」という習慣を定着させることになりました。
その結果、治療により一時的に歯周病やむし歯の症状を緩和することはできても、歯周病菌やむし歯菌が再びお口の中で増殖するリスクは管理できないため、数年後に再発する歯周病やむし歯を防ぐことができなかったのです。
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