■Q&A
歯周病に関する質問にお答えします。
お口の中の細菌リスクを軽減して、口腔内環境をリセットしてもらう処置は1日で終わるのでしょうか? また、その後のメンテナンスは、どれくらいの頻度で通院すればよいのでしょうか?
細菌のリスクを減らす処置は、歯周病の症状が初期の方で6時間、中等度の方で8時間、重度の方で10時間かかります。歯周病の症状が初期の方なら処置は即日で完了しますが、中~重度の症状の方は時間的に2度通ってもらうことになります。
その後のメインテナンスは、3か月に1回をお勧めしています。その理由としましては、お口の中の歯垢は一度きれいにしても3か月たつと元に戻ってしまうからです。歯周病の症状が軽いか重いかによって料金は変わります。
・歯周病の症状が初期の場合の方は、18万円(税別)
・歯周病の症状が中程度の方は、24万円(税別)
・歯周病の症状が重度の方の場合は、30万円(税別)
いずれも治療内容は同じなのですが、歯周病は進行すればするほど歯周ポケットが深くなり、ポケット内の歯石や菌の量も増えるため、除去するのに手間と時間がかかるので、このような料金設定となっています。
日本の糖尿病患者さんの95%を占め、血糖値(血液中のブドウ糖)が正常より高くなる「2型糖尿病」の患者さんの約70%は、現在肥満の状態であるか、過去に肥満であった時期があるといわれています。
肥満とは、余分なエネルギーが脂肪となって体に蓄積した状態のことです。
私たちが食物として取り込んだ脂質や糖は、肝臓がエネルギーに変換(代謝)してくれています。代謝が効率よく行われていれば、取り込んだ脂質や糖はすべて、身体に有用な物質やエネルギーに変換されますが、その機能が低下すると、脂質は脂質のまま体内に蓄積し、肥満や高脂血症の原因となります。
歯周病菌が血液に混入して肝臓にたどりつくと、歯周病菌がもっている毒素が炎症を起こさせ、脂質代謝・糖代謝を阻害する中性脂肪の沈着を起こします。その結果、肥満となり、糖尿病になる可能性が大きいといわれています。
あまり食べないのに太りやすいという人は、歯周病の検診を受けるべきです。歯周病で炎症が引き起こされている患部では、分娩(子宮収縮)に関わる物質と共通の働きをする炎症物質も分泌されているといわれています。
口腔内の歯周病菌が血液に侵入して体内に入ると、産科器官にまで達して炎症を引き起こします。すると、分娩の適切な時期に至る前に子宮収縮が引き起こされ、早産になる危険性が高まります。
また、歯周病菌が血液を通して胎盤を通過して胎児に直接感染してしまうと、発育不全による低体重児出産も引き起こします。
アメリカのある調査では、早期低体重児出産の発現率は、歯周組織の状態が健康な妊婦で4.1%、歯周病であり歯周治療を受けた妊婦で7.5%であったのに対して、歯周病だが治療を受けなかった妊婦は79%であったことが報告されています。
このようなことからも、早産や低体重児出産の産科的疾患は歯周病治療によりそのリスクを大幅に軽減できます。
また、妊婦が口腔内の健康状態の向上を意識することは、生まれてくる子どもの口腔内の健康状態の向上、さらには日本人の口腔内の健康状態の向上にもつながります。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日・祝 | |
9:00〜13:00 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ― |
14:00〜18:00 | ○ | ○ | ○ | ― | ○ | ○ | ― |