9月28日、29日は福岡で開催されました日本臨床歯科補綴学会の研修会に参加してきました。

今回は「総義歯臨床のための診査・診断」がテーマでした。

10年前に6000人くらいしかいなかった100歳以上のお年寄りは、現在7万人、30年後には50万人を超えてくる予測されております。医療の進歩によって長生きできるようになった反面、平均寿命と健康寿命の差はますます広がっていて、その差は男性で9.11年、女性で12.5年となっているようです。この数字は何を表すかというと、生きているけど認知症になったり、寝たきりになっていたり、健康でない期間が後半10年以上あるのが今の日本人の姿ということです。この不健康な状態を作り出してしまう要因として噛める歯があるかどうかということが大きく関係しているようで、人はだんだん歯を失い、奥歯でしっかり噛めなくなってくると、脳内にベータアミロイドが上昇し、アルツハイマー型認知症が増えると共に胃腸が弱り、食べれなくなることで気力が減少し、噛み合わせが下がると姿勢やバランスが悪くなり、転倒したり骨折したりが増えていきます。

このような悪循環をなくすためには少しでも若い頃から、歯を虫歯にしないための予防や、歯周病で歯を失わないための予防が必要で、万が一歯を失ってしまったときにも奥歯でしっかり噛めるように失った歯をちゃんと補う治療が必要ということです。また仮に入れ歯になってしまったとしても、合わない入れ歯をしてれば、上記のようなことがどんどん進みますが、ちゃんと噛める入れ歯をしておけば、健康寿命が長く保たれるというデータが出ております。

えなつ歯科・矯正クリニックを開院して10年目になります。えなつ歯科は総合歯科として、特に予防歯科に力を入れてながら歯周病治療、外科治療、矯正治療、ブリッジや入れ歯・インプラントいった補綴治療、噛み合わせや顎関節症治療、鎮静法や麻酔を使った無痛治療、自家歯牙移植や組織再生療法、審美歯科やホワイトニングなど患者さんのお口を通じた全身の健康・生活にとって不可欠な要素のほぼすべてを網羅できるように歩み続けております。分野が広いので険しき道ではありますが、よりよい歯科治療を求める患者さんのニーズにしっかりお答えできるよう頑張っております。

私は日本臨床歯科補綴学会の入れ歯・顎関節症・顎関節症・噛み合わせの専門医https://jcpds.jp/nintei/の資格を2年前に取得しましたが、資格を取得した今でもまだまだわからないことがたくさんあり、今回の教授の総入れ歯に関する講義も5回目ですが、聞く度に新しい発見があり、まだまだ自分が未熟であることを感じ、「もっと勉強しないと」という気持ちにさせていただきました。

学び得た知識を日々の臨床に生かせるよう、精進していきたいと思います。